新潟県に近い山あいにある信仰の里・西会津町に「西会津国際芸術村」という施設がある▼昭和30年代あたりにタイムスリップしたかのような廃校した古い木造校舎を利用した2階建ての施設で、前身は新郷中学校だった。オープンは平成16年。海外から芸術家を招いて住居を兼ねたアトリエとして活用。多くの芸術家が人口の少ない町を訪れ創作活動を行いながら住民と交流している▼このほか絵画や写真などを展示するギャラリーやワークショップ、コンサート会場としても利用されている。ここで22日まで、写真と水彩画による女性の2人展が開かれている。その1人、写真家桜田美佐子さんは新郷中の卒業生。高校まで西会津で暮らした。「豊かな自然が残っていて、ここに来ると子どものころの記憶がよみがえる」と桜田さんは語る▼閉校後の校舎の活用法はさまざまだが、田人と三和の校舎はどうなるのだろう。旅先で見かける校舎を利用した施設に目が留まる。
片隅抄