10月最初の週末は、黒鉛筆片手に国勢調査の調査票と向き合ったという人も多かろう。住宅の面積や、仕事の詳しい内容まで記入しなくてはならず、戸惑いもあったと思う▼しかし5年に1度の国勢調査は、日本に住むすべての人が対象となり、報告を拒んだり虚偽の報告をした場合の罰則も法律で定められている。20の調査項目は、政治・行政をはじめ、あらゆる社会経済の分析に利用される。調査員は平成17年の時で約83万人、調査票の枚数は約7700万枚、重ねると富士山の約3倍にも達する。それほど大掛かりなものだ▼日本の国勢調査の歴史は、大正9年(1920)に始まる。19回目の今回の1番の特徴は「日本が本格的な人口減少社会となって初めての調査」という点にある▼この人口転換期の調査は、今後の社会の持続発展に欠かせないデータを生む。それは私たちの生活に必ず結びついてくる要素でもある。そこを意識し、報告は義務と心得、望みたい。