原発事故によって本県から横浜市に自主避難した男子へのいじめ問題。市教委や学校側の対応のまずさが指摘されている▼これはいじめというより恐喝なのだが、小学生の間で150万円という大金が動いたこと自体あきれてしまった。大震災と原発事故以降、避難先で放射能汚染や賠償金への誤解、ねたみなどから迫害されたケースは枚挙にいとまがないが、5年8カ月も経過しているのに、まだくすぶっている▼今回のケースは原発事故が絡んだことから殊更にクローズアップされているが、同じ日の新聞で別の県の高校生が自殺した記事が小さく扱われていて、やるせない。学校でのいじめ問題は昨日今日のことではない。根は深い。文科省副大臣の正論が今さら何を…と絵空事に思えた▼逆に、避難先の学校にうまく溶け込んだ子どもの例はどうなんだろう。本人が同級生、先生、家族、隣近所とどういう交流をしているのか。その〝成功例〟にヒントがあるのでは。