今さら戦争の愚を説くまでもないが、男子なら一度はミリタリー関連のプラモデルを作ったことはあるだろう。戦闘機、軍艦、戦車など今思えば殺戮兵器ではあった▼熱を上げたのも一時的で、年齢を重ねるうち興味は別の方向に進んだ。昨年、社に送られてきた書籍の中に、桑折町出身のジャーナリスト紺野滋さん著『米英軍記録が語る 福島空襲』がある。文献、現地取材を経た力作である▼いわき編の一つに終戦直後起きた爆撃機B29の墜落事故がある。何らかの原因で湯ノ岳に激突、搭乗員14人全員が死亡している。当時、捕虜収容所が近辺にあったため物資供給に飛来したのであろう▼その追悼碑が残る現場を訪ねる機会が3月5日にある。28年度の内郷学特別講座として行われ、参加定員は25人。未歩道の林道を歩き急な山林に分け入るという。あまり知られていない歴史遺産でもある。過去、血で血を洗った敵国も今や蜜月の関係。末永い友好が大事だ。