県立、私立の市内高校卒業式がたけなわである。入学式なら満開の桜の下を母親らに手を引かれたランドセル姿の児童をイメージするが、この時期はまだ爛漫の春には早い▼植物観察を通じ自然と親しむ「かたかごの会」はこのほど、地元の名木・名所などを紹介する『いわきの桜めぐり』を発行した。小川町の諏訪神社シダレザクラを筆頭に寺社境内、教育施設、公園に咲き誇る桜をカラー写真で掲載している▼観光地で売られる絵はがきは天候など、最良のタイミング時に撮られたものという。同書からも開花時期の短い桜をこれほど網羅した労力が伝わってくる。さて、こちらは気分的には「花より団子」ならぬ「花よりアルコール」▼しかしながら個人的に好きな名所は平・新川土手の桜。遠方から眺めるだけだが西日が映え、シャンパンゴールドに輝くさまがいい。人それぞれ、好みの場所があろう。この一冊を手にすれば新しい発見があるかもしれない。