かれこれ15年以上前になるが、よく取材に足を運んだ私立幼稚園がある。その園長と雑談する中、こちらが通った幼稚園の話になった。昭和40年代前半の頃だが、女性教諭の指導法がひどいものだったと伝えた▼簡単にいえば体罰である。年長児に接した1年間は嫌な思い出であるが、その園長いわく「それは、あなたが規格外だったんでしょう。扱いに困ったのかもしれないよ」。こう指摘され、妙に納得したものだ▼やがて小・中学校に進むにつれ、その都度〝規格外〟を随所で発揮し、これまた担任らから鉄拳を食らうこともしばしば起きた。年度末に伴い、本紙でも教職員人事異動を掲載した。当時のクラスメートの中には何人かが教頭、校長職に就いている▼彼らの顔を思い浮かべると、学力優秀、スポーツ万能が共通する。民間においてもそうだが、自分にできることは他人もすぐできるとは限らない。同世代として後輩、教え子らを導く力量が問われそうだ。