市立図書館のカウンターでよく見る光景だ。バッグいっぱいの児童書を笑顔で返しに来る親子、そして返すとすぐに、児童書コーナーへ向かい、新たな本探しを始める▼今、読書週間だが、この場面に出合うと、ほっとする。本離れ、活字離れの話題を耳にする中で、本を欲する子どもの姿に「要は大人次第。本を好きになる環境を大人が整えてやるといったことが大切なのだ」と、つくづく思う▼一方で、本選びも難しそうだと感じている。書店の児童書コーナーに行けば、年齢別のほか知育ものや絵本、名作などがずらり。シリーズ作品も多く、1冊を手にすれば2、3冊目にも目が行く。しかし価格を見ると、なかなかまとめ買いなどできそうにない▼そこで活用すべきは図書館だ。まず図書館で本に触れ、その時の子どもの興味関心をヒントに、買い与える本を選んでもいい。子にとって、そうして自分のものとなった本から広がる世界は、きっと楽しいに違いない。