昨年、全国で起きた交通事故による死者数は前年より213人少ない3904人。3000人台になったのは、1949年以来67年ぶりとのこと▼死者数の減少は喜ばしいことだが、今問題になっている75歳以上の高齢運転者による死亡事故は459件で、死亡事故全体に占める割合は13・5%。06年の7・4%から年々増加傾向にある。事故の要因としては操作の誤りが全体の3割を占め、他に視力の弱まり、判断力の不適切などが挙げられる▼75歳以上の方でも実年齢よりも若く見え、周りが抱く高齢者のイメージと大違いの人はたくさんいる。ただ「老い」は人間だれしも平等に訪れるもの。若いといっても限界があることをお忘れなく▼今月末から夏休みに入る。遠く離れた孫の顔を見に、車を運転して出掛ける高齢者の方もいるだろう。慣れない道を走るうえ、高速道路走行となれば危険度はアップする。自分の能力や体力を過信せず、安全運転をお願いしたい。