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片隅抄

2018.01.18

「ムーミン」の舞台に関する問題が出題され、物議をかもしている今年のセンター試験。その前身の共通1次試験が始まったのは昭和54年▼画期的な大学入試制度の改革で、それまでの記述式の問題から、いくつかの答えから正解を記す、マークシート方式が採用されたのもこの時期から。1次試験の点数次第で、次に進めない「足きり」という言葉も流行った時期だ▼背景には、第2次ベビーブーム世代までの受験生の多さ。今思うと、事務的に短時間に採点できる方法として考え出された、合理主義の遺産のようにも思える。その後、少子化を迎え、受験生の個性や適性を重視した「AO入試」や、個人の能力や特技が問われる「一芸入試」など、ユニークな入試制度が目に付くようになった▼選抜に学力は必要だが、それだけでは優秀な人材が育つとは限らない。「ムーミン」の問題、実に夢のある問題だと思う。発想や創造力に秀でた人材の育成が必要な時代になっている。

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