16日午後、渡辺町で住宅が燃え、55歳の男性が焼死した。秋の全国火災予防運動が終了した翌日の火事だけに、関係者はショックだろう▼火事は本当に恐ろしい。一瞬にして家や家財を失うだけではなく、命まで奪われてしまうからだ。小さい火事でも扱いを間違えると大火事につながることもある。これからは空気が乾燥し火災が増えてくる時期に入るだけに、火の取り扱いには十分な注意が必要だ▼ところで住宅火災の死者の約6割が逃げ遅れ。火災に早く気付き逃げていたら、家は燃えても命だけは助かったケースは多いという。消防法の改正で火災警報器の住宅への設置が法律で決められたが、背景には火事に巻き込まれ逃げ遅れで亡くなる人が増えたことにある▼いわき市消防本部では広報啓発活動を通して設置を呼び掛けているが、まだ100%までには至っていない。わが家の防火対策を見直すと同時に、警報器が未設置なら早急に手を打つべきだろう。