今年は戊辰戦争から150年に当たる。その最大の激戦地となった会津若松市には鶴ケ城はじめ、飯盛山や阿弥陀寺など観光的にも知られたゆかりの地がたくさんある▼しかし、むしろ目を向けたいのは、会津に至るまでの各地での戦闘だ。土方歳三や板垣退助が戦った郡山・猪苗代境の母成峠、悲劇の少年隊が奮戦した二本松、100日間にわたる死闘が行われた白河口の戦い、栃木側(日光口)からの侵攻を食い止めようと山川大蔵が迎撃した山王峠の南会津などがある▼只見町には河井継之助記念館がある。河井は越後長岡藩の家老。戊辰戦争では中立を唱えたが藩に聞き入れられず参戦。重傷を負い、会津藩で再起を図ろうとしたが只見で力尽きた。愛用のガトリング砲が展示されている。三春町ではなぜ当時の藩が、汚名を着せられても無益な戦闘を避けたのかしのびたい▼戦後150年の今年、行楽のついでに戊辰戦争ゆかりの地へ足を運んでみてはどうだろう。
片隅抄