現在、クリナップでレスリング部監督を務めている今村浩之さんがレスリングを始めた動機は「優勝すれば海外に行けるから」だったという。事実、その夢を果たしてさまざまなカテゴリーで国際大会に出場した▼日本を代表して外国人選手と戦う。その最高の舞台は五輪やW杯なのだろうが、競技によっては夢ではないケースもある。今月、モスクワで開催された極真空手の世界大会で市内の女の子が日の丸をつけて出場したばかりか、金メダルと銅メダルを獲得した▼空手着を脱げばどこにでもいる少女たちだが、若いうちからモスクワに遠征して外国人選手たちと戦った経験は何物にも替え難い経験になるだろう▼常磐軟式野球スポーツ少年団の子どもたちも、日本代表としてアジア大会に臨む。事実上の〝軟式野球世界一〟をかけた戦いだ。結果はともかく日の丸を背負ってプレーする経験を大事にしてほしい。後に続く後輩たちが見ていることも忘れてはならない。
片隅抄