全国で虐待事件が後を絶たない。先日も千葉県で小4女児が親の暴力で亡くなった▼事件が起きるたびに疑問に思うことがある。テレビなどで児童相談所や教育委員会の職員が、虐待の事実を把握しながら防げず申し訳ないと謝る場面を見て。虐待から子どもを守るはずの行政機関が、虐待を知りながら何故防げなかったのか、と▼ある関係者は「虐待は家庭内という密室内の行為なので分かりづらく、親権などの壁に阻まれ指導にも限界がある。また児相の職員不足に加え、児相、学校、警察と行政上の管轄の問題もあって、情報共有が不十分」と指摘する▼国は法律や組織を見直し虐待に歯止めをかけようと動き出した。ただそれだけでは防げない。虐待が家庭内で行われることが多いだけに、ふだんから子どもたちと接する機会が多い学校や地域の人たちが、子どもの異常に気づいたら警察や児相に通報することが大事。行政と地域が一体となって子どもを守り育てたい。