今日は成人の日。少し前、成人を迎えて間もない女性が「20歳なんて高校生から見れば立派なおばさん」と話すのを聞いた。自己やゆも入っているのだろうが、当方としては「おいおい、君らはまだまだだよ」と声を掛けたくなった▼近年「草食系男子」に代表されるように「若さ=エネルギッシュ」は必然ではなくなってきた。これまでも時代ごとに、モラトリアムとか新人類とか、若者特有のけだるい世代観はあったが、今はそこにある種の「堅実さ」を垣間見るのは自分だけか▼無茶や無知と表される若さゆえのバカさが薄れ、善くも悪くも「賢さ」を感じるのだ。何故か?考えられるのは、バブル崩壊後に成長期を歩んできたことか。「失われた20年」といわれるが、思えば彼らは企業倒産、就職難のニュースを日々聞いて育った世代だ▼相応の処世術を身に付けて当然かもしれない。とはいえ今日だけは「若者よ、大志を抱け」とはなむけの言葉を送らせてほしい。
片隅抄