映画を評価するポイントとして、原作や脚本、キャスティング等いろいろとあるが、個人的に音楽もその重要な位置を占めていると思っている▼今までに印象に残っている曲は多々あるが、その中でも「パピヨン」のテーマ曲が個人的には一番かもしれない。三拍子のもの悲しい旋律が、映画の内容に実にマッチしているように思う。そんな思いがあったからか、先日、映画案内でパピヨンの上映を見つけ、鑑賞することになった▼もちろんオリジナルではない。リメークされた作品だが、初めてみたときの感動が蘇った。今更ストーリーを紹介しても仕方がない。無実の罪で島流しになり、脱走を繰り返し、その執念が実るというもの▼オリジナルを忠実に再現し、映像技術の進歩もあり、迫力はさすがな出来栄えだが、あの音楽が耳に残っているだけに、何かもの足りない気がした。それだけ、音楽は重要だということ。「名作に名曲あり」。その思いを再認識した瞬間だ。
片隅抄