NHK連続テレビ小説では歴代の作品で、そのドラマのテーマに合った写真を視聴者から募集し、1話ごと番組の最後に紹介している▼福島市出身の作曲家古関裕而を扱った「エール」でのテーマは『“福”をココから』。本県の魅力をとらえた1枚を毎回、全国の視聴者に見てもらっているが、20日放送分では「盆の風物詩 いわきのじゃんがら念仏踊り」が紹介された▼それより先、17日放送分は「富岡夜ノ森 桜並木に春を告げる」だった。市内に住む女性が、撮影して保存しておいた写真フォルダーの中から、特に思い出深い数枚を応募したところ、震災前に満開の桜のトンネルを撮影した1枚がNHKに採用されたのだ、と喜んでいた▼この欄で何度か連続テレビ小説のことを書いたが、「わたしも同感です」という同じファンとして彼女からメールをいただいてわかった。先が見えない世の中だからこそ些細(ささい)なことでも喜びを見つけたい。それが季節の変化でも。