豪速球投手として鳴らした元巨人軍江川卓さんの両親の系譜をたどった先月28日放送のNHK「ファミリーヒストリー」は、近ごろ出色の内容だった▼教育熱心な父親と美人の誉れ高かった母親が出会い、江川さんが生まれた炭鉱町だったころの好間が映し出されただけに、興味深く視聴した市民も多かったことだろう。市内に両家のエピソードを語れる親族がいて、それを記録した史料も残っていたとは驚きだった▼そんな江川さんのいわきでのことを記事にしようと、まだ記者として駆け出しのころ、江川さんを取り上げた産婆さんが好間にいるという話を聞いて取材させてもらったことがある。部屋には江川さん関連の本やサインボールがたくさんあった▼江川さんは昭和30年生まれ。炭鉱の斜陽化で3,4歳のとき静岡県に移り住んだが、磐城高校が夏の甲子園で準優勝したときは高校1年生。もしそのままいわきにいたらどんな伝説を残していたか。夢は尽きない。