大のホンダ党だ。セナ・プロ時代で青春を過ごした抄子にとって、日の丸を世界舞台に掲げた“おやっさん”は神のような存在に映る▼今も欠かさずF1を見ているが、先日、ファンを失望させる衝撃的なニュースが世界中を駆け巡った。ホンダ、21年でF1撤退。「今度こそ第2期の栄光再び」と願っていただけに、思わず声を失った▼カーボンニュートラル実現に向けた経営資源の集中――。30年後の二酸化炭素排出量と吸収量をゼロにするため、F1の技術と人を市販車開発に注ぐ、というのが表向きの撤退理由だ▼かつて「鈴鹿に次ぐホンダのサーキットをいわきに」との話があった、と聞く。真偽は分からないが実に夢のある話だ。本市は蓄電池はじめ自動車関連企業が多く、基幹産業として将来を期待する声は大きい。ただ欧米ほど車への理解、文化が根付いていないためか市民の関心はそれほど高くない。レースも同じ。ホンダの撤退劇もそれに尽きると思う。
片隅抄