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片隅抄

2020.10.16

市立草野心平記念文学館で始まった企画展「草野心平と棟方志功」。稀代の詩人と世界的版画家の終生の交友を互いの作品、共著、書簡などで紹介している▼同展開始を前に過去の本紙を確認してみた。まず昭和41年4月の旧平市民会館の落成に伴う志功の原画をもとにしたステージ緞帳(どんちょう)の存在。さらに同46年9月の本紙創刊25周年記念事業「文化勲章受章 棟方志功版画展」の告知▼特に版画展の記事だが、期間中の22〜26日まで、大きめに紙面を割いている。終了後の28日付の社告では、来場者延べ2万人の御礼が記されている。さて同館内にはオープニング時の写真パネルがあったが、そこに明治の男3人が写っている▼36年生れの心平、志功。2年遅れて38年の本社創業者野沢武蔵。ことを成し遂げた男たちの風貌がそこにある。加えて市立美術館所蔵の緞帳原画4点の色鮮やかさも印象に残る。時節がら重苦しい毎日だが、秋も深まる小川の地を訪れてはいかが。

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