高齢化が進む現代、高齢者がオレオレ詐欺や交通事故、火事などの事件、事故に巻き込まれるケースが増えてきた▼春の全国火災予防運動が昨日から始まった。住宅の防火、連続放火対策の推進などと並んで、高齢者を中心とした死者発生の減少の周知、啓発を大きな目的として、7日まで行われる。いわき市でも消火訓練や消火講習会などを通して、火災予防を広く市民に訴える▼ところで全国では毎年、1000人以上の人が住宅火災で亡くなっている。うち6割が65歳以上の高齢者で、そのほとんどが逃げ遅れによるもの。市内でも今年に入ってから火災が相次ぎ、高齢男性2人が犠牲になる痛ましい火災があった▼その対策として国は消防法を改正し、住宅用火災警報器の義務化を打ち出した。早く火災に気付き、逃げ出していたら命を落とさずに済んだケースが多いというからだ。春先にかけて空気が乾燥し、火災が増えるだけに、警報器の設置を急ぐべきだろう。
片隅抄