10年前の今頃、思い起こせば、大震災後の大きい余震の不安にかられながら復旧・復興への第一歩を踏み出していた。原発事故後の放射能という見えない恐怖にさらされながらのことだった▼そして今、新型コロナという目に見えない恐怖と対峙する毎日を送っている。線量と感染者数。事は違えども数字に翻弄されている点では同じかもしれない▼昨年から続くコロナ禍。毎日発表される感染者数に一喜一憂する日々。ただ、その数に踊らされてはいないだろうか。ワクチン接種が始まったばかりの状況下では不安は拭えないのはわかるが、数字だけにこだわっては10年前と一緒だ。問題の解決には至らない▼締めると収まり、緩めると拡大する。そんな政策では経済の破綻は目に見えている。病床のひっ迫というが、そもそも用意されている数自体が少なすぎるのが原因ではないか。国民や飲食店に責任を押し付けるのではなく、医療体制の強化に全力を注ぐべきだ。