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片隅抄

2022.03.26

普段は気に留めないのだが、結婚式や葬儀のときに実感するのが〝家族〟の絆だ▼元気なときはお盆や正月に、各地から親戚が本家に集まる。そこで親子、きょうだい、いとこが顔を合わせて互いに近況を報告しあう。しかし時がたてば高齢になり、体調を崩すようになって徐々に足が遠のくようになるのだ。年賀状や暑中見舞いはがきも同様に▼そんな中で、結婚式や葬儀がファミリーの止まった針を動かすきっかけになる。久しぶりに会ったから顔がわからなかった(マスクのせいもある)、電話だけだったが、懐かしい声を聞けた。そこで誰々は重い病気で臥せっているとか、誰々のところに孫が生まれたなどの近況がわかった。それだけ〝家〟に縛られず〝個〟が尊重される時代になったのだ▼時代劇を見ていると本家と分家の関係、跡取りとしての男児の誕生、嫁入りなど家族(一族)の絆がいかに大切かが描写されている。やはり〝家〟はないがしろにできない。

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