3月11日の東北地方太平洋沖地震に伴い、東京電力福島第一原子力発電所で発生した原発事故。先日、東京電力が収束に向けた工程表を発表した▼スッテップ1、2の作業を経て、安定状態まで6~9カ月かかるという。本当に、確実に工程表の目標が達成されるのか、疑問のあるところ。発表したからには工程表に沿って全力で取り組み、日程が前倒しされ、一日でも早い収束が望まれる▼正直なところ、大震災以前は〝放射能の恐怖〟について、何も知らなかった。原発に関する講演会や団体の要望などを取材する機会があっても、立地場所から数十㌔離れていることから、どこかに「自分たちには関係ない」という意識があったと思う▼今回、地震と津波に加えて、原発事故による風評被害の〝三重苦〟に見舞われた。今のところ、環境放射能調査でも影響は少ないレベルとみられるが、復興に向けて、放射能という「見えない恐怖」とも闘っていかなければならない。
片隅抄