3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震から、あすで2カ月になる。地震による大津波のほか、4月11、12日の余震を含め、9日現在、1万5000棟を超える住家が被害を受け、いまだに38カ所で約1700人が避難所生活を送っている▼こうした被害に加え、いわきでは東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う放射能漏れで、風評被害を受けるなど、〝三重苦〟に見舞われた。市内の運送会社では、「いわきナンバーで来ないでほしい」と取引先から依頼されるケースがあったという▼先日、東京電力の清水正孝社長が、常磐水野谷町に町役場機能を移転している広野町の山田基星町長に謝罪した。昨日は、計画的避難区域となっている飯舘村や南相馬市、川俣町などで謝罪したという▼いわき市でも一時物資が入ってこないなど、風評被害で多大な迷惑を被ったほか、今も〝見えない恐怖〟と闘い続けている。清水社長がいわき市民に謝罪するのも当然と思うが。