東日本大震災からの復興支援として、被災地の合唱団体を招いた演奏会「ハーモニー・フォー・ジャパン2023」が4、5日、京都府長岡京市記念文化会館(京都府長岡京市)で開かれた。
県内からは唯一、県合唱連盟いわき支部が招待を受け、平一、小名浜一、湯本一、泉、植田の5中学校による30人の特設合唱団が参加し、震災から間もなく12年を迎える中で、中学生の力強い歌声を通じて、復興にまい進する姿が伝えられた。
演奏会は、一般社団法人ハーモニー・フォー・ジャパンが主催し、被災地の合唱団体に本番の機会を与える狙いから、震災翌年の平成24年から続けてきた。しかし新型コロナウイルスの感染拡大によって、中止を余儀なくされ、今年は4年ぶりに再開を果たし、この公演をもって一区切りとすることを決めた。
生徒たちは両日ともステージに立ち、「虹」(森山直太朗作詞・作曲)、「友~旅立ちの時~」(北川悠仁作詞・作曲)、「ふるさと」(小山薫堂作詞、youth case作曲)を披露。また岩手県久慈市の長内中特設合唱部との合同演奏で、現在は湯本一中に勤務する小田美樹教諭が手がけた「群青」も歌われた。
2日間の公演は、5校の生徒たちにとって大変有意義な時間だったようで、舞台を降りると、感極まって涙する子がいたほどだった。
森雪菜さん(植田中・2年)は「このステージで他校の友だちとも歌えて、本当にうれしかった。温かい支援に、みんなで感謝を伝えたいと思ってステージに立った」と感無量の様子だった。
団長の金成聡司支部長は「生徒たちは一体となって演奏していた。合唱の絆は、今後も続いていくと確信している」と述べ、生徒たちの頑張りをたたえた。
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