発生から3年が過ぎた新型コロナウイルス感染症も、ここにきて沈静化の兆しが見えている。もちろん陽性者は確認されているため、油断は禁物だ▼それでも長かった閉塞感を一掃するかのように春が駆け足でやって来た。その代表格が例年より約2週間早い桜の開花だろう。こちらの満開イメージは、例年4月の第2週日曜▼統一地方選挙での県議選投票日に当たる年もあり、ちょうど12年前がそうだったが東日本大震災のため、秋に繰り下がった。以降、翌年の補選を経て平成27年、令和元年と続くも前回は大きな被害をおよぼした東日本台風の直後だったことは記憶に新しい▼各陣営は被災者らに配慮しながら選挙カーの音量を極力控えるなど、自粛気味の運動を展開した。低調ムードは避けられず、いわき市内の投票率は前回から6・38ポイント減少の39・13%にとどまった。あれから4年、棄権した約16万5千人の有権者は今度こそ意思表示をすべきだ。
片隅抄