4月に入ると真新しいスーツに身を包んだ新入社員の姿を多く見かける。新しい環境に思いをはせる人がいる一方で、ここで定年退職の人もいる▼抄子の友人も今月末で長い公務員生活に終止符を打つ。60歳で定年を迎えた時、その後を聞くと「老後の生活もあって再雇用に応募した」と言っていた。その時の顔が何とも寂しそうだったことを思い出す▼先日、その友人が5年の再雇用終了を報告してきた。文字通りの定年である。今後は第2の人生を楽しむという。長い間家族を養い、税金を納め社会に貢献し、相応の年になった今、後は自分の好きに生きたらいい▼ただ皆がみんなこの友人と同じという訳にはいかない。人生100年時代と言われ、長生きすればするほどお金がかかる。年金は減らされ少しでも長く働き続けなければ、という人が増えている。それを就労意欲の高まりと国は言うが、何をか言わんやだ。大方の人は老後はゆっくりしたいが本音だろう。