ようやく長いトンネルから抜け出した。５試合ぶりの白星に歓喜するサポーター、そして終了のホイッスルとともにピッチに倒れ、宙を見つめるストライカー有田稜の姿に胸が熱くなった▼Ｊ３得点王・ＭＶＰの肩書きを背負い、名実ともにいわきＦＣのエースとして新たな舞台に挑んだが、開幕前からコンディションが上がらずＪ２の洗礼を受けてきた。本調子ではないことは数字から容易にうかがえる▼さらに、主力の相次ぐ離脱。サッカーは「個の力」が重要視されがちだが、基本となるのは選手間の連携であり戦術理解度、プレー原則をいかに浸透させるかだ。日替わりで新戦力が登場するのは目新しさこそあれ、戦力の底上げには繋がりにくい▼だからこそ、有田の〝ドッピエッタ〟での勝利は意味がある。次節は本市出身のファンタジスタ高萩洋次郎擁する栃木ＳＣ戦。簡単ではないが、何としても今季２度目の連勝で巻き返しを図りたい。反撃は、これからだ。
