東日本大震災による津波と、続く火災で甚大な被害を受けた久之浜沿岸部に活気を取り戻そうと、地元商工会が中心となって、2017年に設立された商業施設「浜風きらら」に、「きららカフェはまかぜ」がオープンした。
コロナ禍で売上が減少し、さらに地域住民との交流が制限される中、地域の有志が各テナントと協力して立ち上げたカフェで、高齢、孤立化が浮き彫りとなっている地域住民の新たな憩いの場を目指す。開業初日の11日には記念イベントが行われ、にぎわいをみせた。
久之浜地区の復興を目指した浜風きららだが、3年ほど前からコロナ禍の影響による生活様式の変化により、利用者が大幅に減少する。不特定多数と対面することによる感染リスクを考慮し、施設利用者の中心だった高齢者が家にこもりがちに。売り上げも激減し、各テナントの苦境が続いた。
マスクの着用緩和、コロナの5類移行など明るい兆しがようやく見え始める中、老若男女、特に高齢者が安心して会話を楽しめる場を開設することで、地域に人の流れを生み出そうと、地域の有志やテナントが尽力して、新たなカフェが誕生した。
11日には記念イベントが開催され、野菜詰め放題や、JA福島さくら久之浜女性部によるおこわなどの販売、北海道厚岸町名物のホタテの浜焼きなどが用意され、多くの人でにぎわった。
カフェの営業日は、毎週水曜~土曜日の午前10時~午後2時。飲食、総菜などの販売があり、10席ほどでお茶を飲みながら会話が楽しめる。
浜風きららの高木重行代表取締役は「観光のための施設ではなく、コロナにより閉じこもっていた人々が気軽に足を運んで『井戸端会議』をしてもらえたらうれしい」と話し、いずれは朝市のような場所になれば、と期待を寄せる。
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