先日、ロケ誘致や支援などを目的にする、いわきフィルム・コミッション協議会の総会に赴いた。席上、昨年度のロケ件数が発表され、問い合わせ79件に対し、実績は42件だった▼主なところでは、寺島しのぶ、豊川悦司さんが瀬戸内寂聴、井上光晴の両作家を演じた映画「あちらにいる鬼」、現在公開中の「こわれること いきること」、四倉町のある食堂を物語風に紹介したテレビ番組「絶メシロード2」など▼眉をひそめる事件で、いわきの地名が喧伝されるのはありがたくないが娯楽や文芸作品での知名度アップは歓迎したい。いわき総合図書館が編集・発行した冊子に「映画に刻まれた『いわき』」がある。大正から令和までのロケ作品を網羅し、資料的価値も高い▼だが遅れを取るのが収蔵作品の数。一覧から市内レンタル店を巡り「僕の彼女はサイボーグ」など、やっと鑑賞出来たのも多々。セル用1枚が高額とも思えないが、文化行政の物足りなさを感じる。