105回を数える今年夏の高校野球福島大会は面白い特徴がある。公立進学校、中でも磐城をはじめ福島、安積、会津といった旧制中学からの伝統を持つ高校の健闘だ▼このうち磐城はベスト8と最後まで残った。福島は3回戦で公立の強豪・光南と延長十回まで闘い、会津も2回戦でその光南に0―5とリードされながら一時は6―5と逆転した。安積は秋・春連続県大会出場の白河に許した3点差を九回一挙6点で逆転勝ちしている▼お隣の茨城県でも水戸藩校「弘道館」の伝統を継承し、東大や東北大、有名私立大に多数の合格者を出している昭和2年創立の茨城が春夏優勝2回、準優勝2回の常総学院を破りベスト8に進出して話題となった▼ほかでも甲子園の常連校が早々と姿を消している。ここ数年のコロナ禍で練習時間や対外試合が等しく制限され、鉄拳制裁もいとわない厳しい指導が影を潜めた影響ともいわれている。今年はどんな代表校がそろうのだろうか。