高級割り箸はじめ木工製品を手がける「磐城高箸」(田人町南大平、高橋正行代表取締役)は、木材などの植物繊維を使った新素材「セルロースナノファイバー」を活用し、魚編の漢字を使ったユニークなアクセサリー「魚編のコツ」を開発した。
この商品は魚の骨をモチーフにしており、鮃(ヒラメ)や鰈(カレイ)の漢字など、いわき市の水産物ブランド「常磐もの」をはじめ12種類が用意されており、ボールチェーンとストラップが製作された。ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」が協力しており、1日からは同館で販売が始まった。
セルロースナノファイバーは、植物繊維をナノサイズ(1mmの百万分の1)まで細かくした木質バイオマス資源で、軽くて頑丈な点が注目されている。磐城高箸では自社が持つレーザー加工技術を応用し、ファイバー紙を用いて、魚編の漢字の細かい部分をきれいに再現した。
見た目は、まさに食べ終わった後の魚。「私たちは山のもので製品を作っているので、海のものを手がけたら面白いのでは」と、高橋社長がアクアマリンふくしまに相談して、商品化が実現したという。
高橋社長は子どもたちを中心に、日本で魚離れが進んでいる点も危惧する。水産庁によると、食用魚介類の1人1年当たりの消費量(純食料ベース)は、2001(平成13)年度の40・2kgをピークに減少傾向にあり、11年度以降は肉類の消費量を下回る。21(令和3)年度は概算値で23・2kgで、比較可能な1960(昭和35)年度以降で過去最低となった。
「『魚のコツ』を通じて、まずは魚に興味を持ってもらえれば」と期待を寄せる。ちなみにコツには骨の意味に加え、漢字を覚えるコツも兼ねていると笑う。ボールチェーンは税込み450円。ストラップは同390円。磐城高箸でも取り扱っているほか、県内観光施設でも販売を予定している。
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