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松村防災相 いわき市の豪雨被災視察 激甚災害指定は明言避ける
松村祥史防災担当相は20日、台風13号に関連した記録的大雨に伴い、いわき市の被害状況を視察した。松村氏は視察後に報道陣の取材に応じ、「政府一丸となって、被災者の皆さんが一日も早く元の生活に戻れるよう、全力で取り組んでいく」と語った。
ただ今回の水害を「激甚災害」に指定するかに関しては、「(自治体による)災害査定を基に判断したい」と述べるにとどめた。激甚災害に指定されると、災害復旧の国庫補助引き上げや、中小企業に向けた特例保証など、特別の財政助成措置が講じられる。激甚災害は、2011(平成23)年の東日本大震災や、2019(令和元)年の東日本台風の際に、それぞれいわき市も認められている。
豪雨被災を受けて、20日午後に来市した松村氏は、内田市長の案内で、決壊した常磐藤原町の藤原川堤防や、浸水した内郷白水町の国宝白水阿弥陀堂、内郷宮町の宮小を訪れた。国宝白水阿弥陀堂を巡っては、25日に文化庁の調査が入る予定となっているが、松村氏の立場からも対応を指示したいと強調した。
いわき市では、短時間に大雨をもたらす線状降水帯が初めて発生し、宮川や新川などの二級河川があふれたことで、広い範囲で浸水した。こうした点は松村氏も理解しており、「国として、線状降水帯の発生メカニズムを分析し、二級河川に大量の雨が流れ込むことで生じる氾濫の対策を進めたい」と今後の方針を示した。
松村氏はいわき市入りに先立ち、同日午前には茨城県日立市や北茨城市も訪問し、豪雨被災の現場を確認した。