台風13号に伴う記録的豪雨により、市内の複数の河口付近に大量の流木や木くず、生活ごみなどが漂着し、地域住民を悩ませている。特に久之浜地区では、大久川河口から南岸域約2kmにわたり漂着物が打ち上げられ、特に河口付近から南岸の約300~400m区域では、大量の漂着物が積み重なる事態に。
著しく景観が損なわれるだけではなく、久之浜漁港からも近く、再び海岸に流れ出ることがあれば、沿岸漁業の操業船への影響も懸念されることから、市漁業協同組合久之浜支所の呼び掛けに応じ、久之浜・大久地区復興対策協議会では、区長会や商工会、地域の各種団体の協力を得て、30日に約150人規模で、流木など漂着ごみの撤去・回収作業に専念した。
同協議会の阿部相市郎会長(86)などによると、これまでも台風などで漂着物が流れ着くことはあったが、今回のように砂浜を一面覆うほどの量はなかった。流木などはしけで再び沖に流れてしまうと、漁船を損傷させ、漁師がけがを負うなど重大な事故を引き起こす危険性もあることから、一刻も早い撤去が望まれていたという。
台風から3週間ほどが過ぎ、流木や木くずの一部が砂浜に埋もれるなど、作業は一筋縄にはいかなかったが、参加者たちは流木や木くずを細かくするなどして、地道に回収した。
多くの漁師たちと参加した江川章市漁協組合長(76)は「大変ありがたい」と地元の協力に感謝しつつ、「漂着物は久之浜に限らず夏井川河口など、市内各地に点在している。海の安全を確保するためにも行政の協力をお願いしたい」と語り、作業に汗を流していた。
ニュース