サッカーJ2・いわきFCの新スタジアム整備に向け、子どもや若者の意見を盛り込むための「ユースプロジェクト」が進行している。15日には意見交換の場として、8月に続いて2回目となる「ユースフォーラム」が、平のいわき産業創造館で開かれ、「いわきの未来 スタジアムのある未来」をテーマに、約40人が自由に議論を重ねた。
新スタジアムにあたり、いわきFCの運営会社・いわきスポーツクラブは今年6月、検討委員会を発足させた。検討委員会には、いわき市や双葉郡の有識者を招いた分科会を置き、社会とスポーツのあり方が専門の上林功・追手門学院大准教授が座長を務めている。
ユースフォーラムは上林氏や、教育を専門とする分科会メンバーらが協力。東日本大震災をきっかけに、地域課題を話し合っている「未来会議」の進行役を担う田坂逸朗さんとともに、席替えをしながら、模造紙に意見を書く「ワールドカフェ方式」で展開された。
参加者からは、スタジアムを取り巻く交通課題や、いわき市を代表する自然・海の活用、誰もが利用できる「ユニバーサルデザイン」など、多彩な発表が寄せられた。そうした要素を踏まえて、上林氏は「居心地の良さという視点が重要となる。外から来た人が、いわきのスタジアムって、ここが素晴らしかったと、国許で話してくれる」と指摘する。
さらにプロ野球・広島の本拠地である「マツダスタジアム」は、山陽新幹線の車窓から球場を見ることができ、街に着いた時からワクワク感があると説明。「例えば神社は本殿にとどまらず、鳥居をくぐるところから空間が作られている」と語り、いわきの新スタジアムも、そうあってほしいと期待を寄せた。
同クラブの大倉智代表取締役は「参加した方の熱量に対し、どう形にするか責任を感じる」と強調。その上で、いわきFCのスローガン「WALK TO THE DREAM」の思いを、改めて子どもや若者から教えられたとまとめた。
こうした取り組みは全国で初とされ、ユースフォーラムの中から、分科会にも参加してもらう。
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