目の前のゲームだけでなく、同時刻に始まった清水―大宮戦の行方に一喜一憂したサポーターも少なくないだろう。いわきFCの残留確定に安堵した一方で、浦和と並ぶ埼玉の雄、J1・5位にまで上り詰めたあの大宮の自動降格確定には正直胸が痛くなった▼経営を含む総合的なマネジメント力が大きく影響する、Jの光と影と言うべきか。実力が拮抗する下位カテゴリーは、圧倒的な資金力の格差がない限り実力は伯仲する傾向にあるが、階段を上るほど選手層の厚さ、タレントが求められる▼今年のJ2を席巻した町田ゼルビアが良い例だ。経営者が変わるとライバルクラブから次々と選手を引き抜き大型補強も敢行、監督に高校サッカー界の名将・青森山田の黒田剛監督を招聘した。その戦いぶりも含め話題に事欠かなかった▼では薄皮一枚で残留を決めたいわきFCには何が足りないのか。みな言いたいことは山ほどあろうが、まずは最終戦を全力で応援しよう。
片隅抄