学校教育法の第9条には、法律に定める学校の教員は自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に務めなければならない、とある▼この条に照らし合わせると、宗教家になぞらえて〝聖職者〟と呼ぶのも理解ができる。やりがいのある崇高な使命に人生を捧げ、ひたすら献身的に職務を遂行する。いわゆる「教師聖職者論」▼退職間近のベテラン教師が先日、未成年に淫行を繰り返したとして懲戒処分を受けた。事実を聞き、中には泣き崩れる教え子もいたという。本当に痛ましい。実は抄子も幼きころ、恩師が未成年に手を出し処分を受けた姿を見聞きしている。当時を思い出し、酷く心が沈んだ▼教師聖職者論は「教え子のためなら」と、長時間労働などを強いるものでなく、モラルを求めるものであるべきだ。働き方改革が議論される現代においては尚更。ただ、やはり教師は聖職者であってほしい。子どもたちの見本であってほしい。