大正時代にひとりの日本人柔道家がブラジルに渡り、現地人に伝えた柔道の技術が進化発展して生まれたブラジリアン柔術。絞め技や関節技などの寝技の攻防が主体で、昨今、有名俳優やタレントが大会に出場するなどして注目を集めている。
今年9月、四倉町にブラジリアン柔術の団体が設立され、30人ほどの会員が練習に汗を流す。代表を務める会社員の佐藤竜也さん(39)は、会員の指導に当たりながら競技人口の増加を願う。
久之浜在住の佐藤さんは、小学校から高校までバスケットボールに打ち込んだ。社会人になってからも趣味でバスケを続けていたが、25歳の時に「精神的にたるんでいた時期だったので、身体を鍛えたいと思って」と、市内の格闘技団体「いわきK―3」の門をたたいた。
体力には自信があり、テレビで当時人気絶頂の格闘技大会K―1グランプリや、PRIDEなどの試合を見たりして興味を抱いていたものの、25歳という年齢で挑戦することに不安もあった。しかし、実際に入門してみると佐藤さんが最年少の会員だった。自身よりも年上の会員が練習に励んでおり、佐藤さんは熱心な指導を受けてブラジリアン柔術の魅力に引き込まれていった。
3、4年ほど前には、親交がある四倉柔道会の関係者から「生徒に寝技を教えて欲しい」との依頼があり、いわきK―3に所属しつつ中学生に柔術仕込みの寝技の技術を個人レッスンしたことも。そして今年9月、同じくいわきK―3で練習を積んでいた会社員の福島雄一郎さん(45)とともに、四倉町でブラジリアン柔術の団体を立ち上げた。団体名は、佐藤さんの苗字のローマ字表記を逆につづり、福島さんのFを付けて「FOTAS BJJ Academy Iwaki(フォータス・ブラジリアン柔術・アカデミー・いわき)」とした。
佐藤さんと福島さん、そして会社員の神山晃一さん(56)の3人がブラジリアン柔術の黒帯を取得しており、インストラクターとして会員の指導に当たっている。
主な練習場所は四倉町字鬼越にある柔道場「共栄館」で、会員たちは毎週火、木、金は夜に、土、日は午前中に練習している。公式ホームページは<こちら>。
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