今月に入り、長年空き家として放置していた、自宅前のアパートを解体することにした▼きっかけは、地域で空き巣が相次ぎ、昨年には高齢女性が殺される広域窃盗事件もあって、注意を呼び掛けるチラシを見たからだ。犯人は中に人が居てもガラス窓を割って侵入、室内を物色し金品を奪う手口。人の命を何とも思わない輩だけに、恐ろしい▼在宅時でも窓や玄関は施錠し、防犯カメラを設置するなど、防犯対策の重要性が大事になる。併せて空き家は不審者が寝泊まりし、不法投棄や放火されるとも書かれていた。持ちアパートはまさにチラシに書かれていた建物そのもの。事件に巻き込まれる前に解体を決めた▼壊すことに未練はなかったが、置いてある家具や蔵書はどうするか。特に蔵書は抄子にとっては大事な宝物。家族に聞くとあなたにとっては宝物でも、興味のない人からすればただのごみ。自分が死んだ後のことを考え、自らの手で断捨離することにした。
片隅抄