ワニのような鋭い牙と大きな口が特徴で、特定外来生物に指定されている北米大陸最大の肉食淡水魚「アリゲーターガー」を調理するイベントが3月30日、小川町西小川の小玉ダムキャンプ場の炊事施設で行われた。
勿来町の自営業で、釣り系ユーチューバーとしても活動する鹿又将志さん(38)が釣り上げた同魚はオリジナルの〝ガーのハンバーガー〟に。料理ににかぶりついた参加者たちは「くさみはまったくなく、淡泊な白身でおいしい」と絶賛し、〝厄介者〟として嫌悪されがちな外来生物の可能性に目を向けた。
アリゲーターガーは、太古からほとんど姿を変えずに生き残っている古代魚の一種。日本の在来種ではなく、鑑賞目的に購入した人が川などに放流して野生化したもので、在来種など生態系への影響が懸念されている。
2018(平成30)年4月には、特定外来生物に指定され、新たに飼育したり、繁殖することが禁止されている。
今回調理した個体は、鹿又さんが2年前、いわき市内のため池で釣り上げた1㍍超の大物。専門家によると、県内で捕獲されたのは初めてとみられる。個体を剥製にし、魚肉は冷凍保存していた。
これまでも、捕獲した条件付特定外来生物のミシシッピアカミミガメやアメリカザリガニをはじめ、ハクレンなどの外来生物を調理。ユーチューブで紹介し、外来生物が国内に生息している現状や環境保全の大切さを訴えてきた。
鹿又さんは「日本の自然環境に持ち込まれた外来生物を悪者とする風潮があるが、命がある存在。駆除は必要だが、食べることで感謝の気持ちが芽生える。命の大切さを伝えていきたい」と話した。
(写真:ハンバーガーに調理した鹿又さん=後列右=ら)
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