勿来の関公園のサクラが今年も咲き始めている。
「吹く風をなこその関と思へとも 道もせに散る山さくらかな」
平安の武将、源義家が陸奥国に向かう際、勿来の関をこう詠んだことで知られるが、桜の名所として広く親しまれるようになったのは、17世紀以降。市勿来関文学歴史館によると、現存する史料上で最初に植桜が確認されたのは、承応年間(1652~55)という。
その後も地元住民が植樹を続け、公園内には現在、ソメイヨシノをはじめ、ヤマザクラ、シダレザクラ、オオシマザクラなど約640本が。例年3月下旬から次々と咲き始め、およそ1カ月にわたり花をめでることができることから、この時季は県内外の花見客でにぎわう。
今年は3月31日に開花を確認し、5日現在で三分咲き。同館奥の詩歌の小径付近の桜はつぼみも堅く、体験学習施設「吹風殿」前の駐車場周辺など、日あたりの良い場所では五分咲きの桜もあるが、きょうは気温が下がり花冷えとなったため、天気が回復する土、日曜日の陽気で一気にふくらむかどうか。同館によると、見ごろは週明けになりそうだ。
「吹風殿の趣ある情景と桜のコントラストもおすすめ」と同館。また色とりどりの提灯も飾られ、今月いっぱいライトアップも行われている。点灯時間は午後5時半~9時。
(写真:勿来の関公園のサクラ)
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