先日、埼玉県川越市で25歳の銀行員が仕事の悩みと上司のパワハラを苦にし、自らの命を絶った。全国で毎年2万人以上の人が自殺している▼昨年、県内では390人が自殺によって命を落としている。人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率は、全国平均を4・2上回る21・8で全国で4番目の高さ。自殺者の内訳を見ると、男性268人、女性122人。年代別では50歳代の75人が最も多く、60歳代64人、40歳代58人と続く▼原因、動機では「健康問題」と「経済、生活問題」が多かった。自殺の理由は一つではなく、幾つもの要素が重なり合って、詳しくは分からないが、中高年世代が多いのは物価高を背景に将来の生活を考えた時、先行きの不安から自ら死を選んでしまうのではないかとも考えられる▼県は、悩みを抱える人の相談窓口として、福島いのちの電話024・536・4343、こころの健康相談0570・064・556を開設している。