浜通り全体の常磐線を管轄するJR東日本水戸支社(小川一路支社長)と、地域金融機関のいわき信用組合(本店・小名浜花畑町、本多洋八理事長)、ひまわり信用金庫(本店・平祢宜町、台正昭理事長)の3者は30日、浜通り事業者の支援に向けた連携協定を結んだ。
同支社と市内の金融機関の連携協定締結は初めてで、3者は今後、JRの鉄道資産と両金融機関と取り引きのある事業者の特徴を生かしたイベントを開催するなど、沿線エリアの活性化に向けた施策を展開していく。
協定は、東日本大震災から15年の節目を迎える2026(令和7)年4~6月、福島県を舞台に行われるJR6社による大型観光キャンペーン「デスティネーションキャンペーン(DC)」を見据え、水戸支社の提案でまとまった。
〝エキナカ〟(駅の中)の商業施設や鉄道・バス荷物輸送、ECサイト、交通系ICカード「Suica(スイカ)」、〝常磐もの〟を使った商品開発など、JR東日本が持つ資産と、地域に根差した小規模事業者などの取引先を持つ地域金融機関の強みをかけ合わせ、浜通り地方の魅力、復興を発信する事業を新たに創造して展開。DCなどの機会で(観光)交流人口の拡大を図るほか、取引先の事業成長を支援することで地域活性化を後押しするという。
締結式は平のJR東日本いわき統括センターで開かれ、小川支社長と本多、台両理事長が出席して協定書に署名した。
本多理事長は「地域課題の解決に資する連携協定を締結できたのは大きなステップ。DCを1つの通過点として、3者が手を携えて進める起点となることを期待したい」と述べる。
台理事長は「今回、地域活性化連携によって、地域産業の振興と活性化に向けた支援が強化されると思っている」、小川支社長は「こういった形で地域事業者の皆さんと、常磐線で復興の第2ステージをさらに加速させられるよう努めたい」とそれぞれ今後の展望を語った。
(写真:連携協定を締結した本多理事長、小川支社長、台理事長=右から)
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