2019(令和元)年10月の東日本台風で流失した、好間川に架かる松坂つり橋の完成を祝した渡り初め式が17日、好間町の現地で行われ、地元のさくら保育園や好間保育所の園児をはじめ住民約100人がゆったりとした足取りで橋を往復した。
石炭産業で栄えた昭和前期、炭鉱住宅に住む人たちのために作られたとされ、現在も住民の生活道として役立つ赤いつり橋が復活した。夏井川・好間川・新川水害対策促進連絡会主催。
渡り初め式に先立って安全祈願が行われた後、同連絡会の佐々島忠男代表が「市に対する皆さんの要望が実って、再び橋を架けることができた」とあいさつ。花火を合図に和装の住民や、2人1組で手をつなぐ園児らが堤防舗装工事が続く川の様子を眺めながら橋を渡った。近くに住む無職田中勉さん(73)は「子どものころから親しんできた橋で時代とともに姿を変えてきた。散歩コースなので新しい橋ができて良かった」と話した。
市によると、台帳上での最初の松坂つり橋は1938(昭和13)年に架橋。好間村(現好間町)は古河好間炭鉱などで栄え、最盛期の人口は2万2千人以上で、53(昭和28)年には人口日本一の村になった。
台風で流失した2代目とみられる橋は一部木製の鋼製で赤色。好間地区区長会の要望で市が新たに造り替えた新しい橋は、鋼製の赤色で長さ53・3m、幅2m。4月に開通し、5月29日の完成祝賀会後、渡り初めの提案があったという。
(写真:松坂つり橋の渡り初め式に参加した住民ら)
ニュース