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求む、アイデアと意欲 川前・鬼ヶ城で市場調査開始 民間の意向や条件把握へ
市は9日から、川前町上桶売のレクリエーション施設「いわきの里鬼ヶ城」の管理・運営に向け、民間事業者の参画意向や条件把握を目的とした「サウンディング型市場調査」を始めた。
来年3月をもって、市が出資する指定管理者「株式会社いわきの里鬼ヶ城」が経営不振を理由に解散するため、いわき市の中山間地振興に新たなアイデアと意欲ある企業・団体が求められている。8月30日まで。
サウンディング型市場調査を経た公募は、事前に民間事業者との対話を行うことで、利活用に関する意見や提案を、募集要領に反映できるメリットを持つ。
いわきの里鬼ヶ城は1985(昭和60)年、農林業や自然体験を通じ、都市住民との交流による地域活性化の拠点となることを目指し、「いこいの里川前鬼ヶ城」としてオープン。平安時代の征夷大将軍・坂上田村麻呂が鬼退治をした伝承がある鬼ヶ城山(887㍍)の山麓の自然を利用し、キャンプ場やコテージなどを設けている。
1995(平成7)年に宿泊研修センター整備を機に通年利用化を進め、現名称に改めた。また第三セクターによる運営とし、2006年から現在の指定管理者となっている。18年からはドッグランを新設し、集客強化を図ってきたが、来年で開設40年を迎えるため老朽化が著しい。
メインの宿泊研修センター(ききり荘)は部屋数9室(和室5室、洋室3室、和洋室1室)で、大広間や研修室を完備している。しかし大浴場はボイラーが故障しており使用できず、途中の渡り廊下も雨漏りしている。昨年度の利用実績は宿泊139人、宿泊外2174人。
その他の設備も木造部分を中心に劣化が進んでおり、踏板や窓、サッシの一部破損も見られる。
一方で道路環境が良くなっており、磐越道・あぶくま高原道路の小野IC(インターチェンジ)から、4月に開通した県道吉間田・滝根線の利用で、20分で到着できる。
現在の指定管理者の事業停止を巡り、内田市長は「市としては、今般の運営主体の解散をもって、『いわきの里鬼ヶ城』の廃止を即座に結論づけるものではない」と明らかにしており、サウンディング型市場調査によって現実的な公募条件の策定を模索していく。
質問や参加申し込み方法は、市農業政策課農業総務係まで。
(写真:四季折々の自然が楽しめる「いわきの里鬼ヶ城」=市の要領より)