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夏の高校野球・準決勝 磐城は聖光学院に5-10 最後までひたむきなプレー

 夏の甲子園を懸けた「第106回全国高校野球選手権福島大会」(県高野連など主催)は27日、大会10日目を迎え、福島市の県営あづま球場で準決勝が行われた。いわき勢で唯一残り、23年ぶりにベスト4へ進出した第4シードの磐城は、大会3連覇を目指す第1シードの聖光学院と対戦し、5-10で敗れた。
 最後に優勝した1995(平成7)年以来、29年ぶりの決勝進出はならなかったが、最後まで諦めず、次の1点を狙うナインのひたむきなプレーに、ほぼ満員となった応援スタンドから健闘をたたえる大きな拍手が送られた。
 ◇準決勝(県営あづま)
聖光学院
102004003|10
000101030|5
磐城
(聖)高野、色川、古宇田―佐藤(磐)今泉、篠木、今泉、富沢―湊
▽本塁打=志賀映(磐)▽三塁打=佐山、菊地(聖)村田、高橋(磐)▽二塁打=菊地<2>(聖)

 <主将・高橋由伸 意地の三塁打>
 磐城の主将で五番打者の高橋由伸(3年)は3打席終了時点で三振、三振、二飛とまるで不発だった。八回に回ってきた高校野球最後の打席になるかもしれない第4打席、このままでは終われない。1点を返して3―7、塁上には2人の走者がいた。
 「みんながおれまでつないでくれた。笑顔で最後までやりきろう。気持ちで打ってやる」と集中した外角のストレートを振り切ると、打球は鋭く右中間フェンスまで飛んでいった。これで2点差。主将は何度もガッツポーズをして、まだまだ諦めない気持ちをチームメートへ、そして感謝の気持ちを応援スタンドを伝えた。
 応援スタンドには、中学時代に所属していたいわきリトルシニア時代の仲間で、盛岡大附や日大東北などに分かれた友人たちが駆けつけた。「前日にLINEが来て、自分たちは先に負けているのに『明日、応援にいくから』と言ってくれた」と高橋。打席に向かう途中、その友人たちの声がはっきり聞こえたという。「あれで気持ちが入りました」とこのときは表情がほころんだ。
 「もちろん負けたくはなかったが、最後まで聖光学院に立ち向かっていけた。点を取り合うすごい試合になって、この試合を楽しまなくてはもったいないという気持ちでプレーしていた。後輩たちにもいい示しができたと思う」と試合を振り返った。WILDな気持ちでナインの先頭に立って立ち向かった主将のユニホームは誰よりも汚れていた。
 (写真1枚目:諦めない気持ちを打撃で示した高橋 2枚目:準決勝敗退に悔しさをにじませる選手たち)

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