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今春に幕閉じた「草野小絹谷分校」で閉校式 約5千人巣立った歴史振り返る

 今年3月、開校以来148年にわたる長い歴史の幕を閉じた草野小絹谷分校(平絹谷字四反田)で1日、最後の在校生はじめ多くの卒業生や地域住民、教職員らが集まって閉校式が開かれた。
 市内で最後に残る分校となっていた絹谷分校。校舎内には懐かしい思い出をとどめる古いアルバムや文集、市内外の卒業生から寄せられたメッセージなどが並べられ、訪れた人たちは世代を超えてそれぞれの子ども時代を懐かしみ、母校での最後の1日を楽しんでいた。
 本校から4kmほど北にある緑豊かな山々と水田に囲まれた絹谷分校は、西南戦争が起こった1877(明治10)年に開校した。当時、草野地区の中でも人口が多かった絹谷はじめ、馬目、水品、北神谷などが学区で、これまで約5千人が学び舎を巣立った。
 1959(昭和34)年には新しい分校舎が完成。77年には分校創立100周年記念式典を開いた。1年生から4年生までは分校に在籍し、5年生からは本校で学んでいたが、少子化が進んで年々児童数が減少。そして今年3月、1年生1人、4年生3人を最後に閉校となった。
 式では初めに草野小の鈴木賢一校長が「3月まで分校にいた4人の子どもたちは、ここで培った生きる力を存分に発揮して元気で本校で過ごしている。分校の閉校は時代の流れとはいえ寂しいこと。今日は思い出を共にする皆さんと懐かしい日々を語り合い、心に残る1日にしてほしい」と式辞を述べた。
このあとあいさつした内田市長は、「小学生のとき、本校と分校の交流で何回も分校に来たことがある」という草野小の出身。「1年生のときから多くの学友と共に過ごす新たな環境が、子どもたちにとって実りあるものになることを願っている」と後輩たちを気遣った。
 また来賓として出席した古市三久県議は地元馬目出身で、絹谷分校に通った1人。「現在の上皇后ご夫妻がご成婚されたとき、分校にテレビが入ってその様子を見た思い出がある。小さいときの思い出が残る学校がなくなるのはさみしいが、時代の流れなのかもしれない。いつまでも分校を思い出してほしい」と出席者に呼びかけた。
 そして最後の在校生となった芳賀湊(現2年)、芳賀蓮人、古市結愛(現5年)さんが、テレビモニターに分校での思い出を映し出しながら、これまでの歴史について説明した。
 (写真:閉校式で撮影した記念写真)

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