市民フォーラム/救急医療・いわき2024「救急車に乗らないための骨折予防」(市病院協議会主催、市、市医師会共催)が9月8日、市総合保健福祉センターで開かれる。市民を取り巻く医療の問題をテーマにしたフォーラムで、27回目となる今回は要介護や寝たきりを招きかねない高齢者の骨折に焦点を当て、広く自分ごととして理解を深めてもらいたいという。
いわき市では高齢化率が年々増加しており、2019(令和元)年に人口に占める65歳以上の割合が30・3%と初めて3割を超え、23年には32・1%となっている。
同協議会では年齢を重ねることで、どうしても運動機能が低下し、頭と身体のアンバランスが生じると指摘。こうした状態を、移動(ロコモーション)するための能力が衰えた「ロコモティブシンドローム」と呼び、日本整形外科学会では適度な運動による予防を提唱している。
ただ自宅で普段通りの生活を送っている中で、何気ない場所でつまずいて転倒し、骨折して搬送される事例が目立つという。高齢者は骨や筋肉の回復が遅いため、回復しても日常生活に戻れない恐れがある。市消防本部によると、どの事故種別でも救急搬送が最も多いのは高齢者だが、特に一般負傷は73・4%(2022年)に上る。
今回の市民フォーラムでは、市医療センターの相沢利武院長を講師に招き、転ばない体力づくりと、転んでも折れない骨の強化について披露する。相沢氏は肩関節や股関節を専門とし、1994(平成6)年に旧市立総合磐城共立病院に着任。整形外科医として一貫して市民の健康を守っており、2021年4月から院長に就いた。
さらに市消防本部から最近の救急搬送の状況を説明してもらった上で、実技指導として心肺蘇生、自動体外式除細動器(AED)の体験を行い、万が一の際に備える。
福島労災病院循環器科の吉成和之主任部長(市民フォーラム副実行委員長)と、同協議会の渡部登事務局長が26日、同センターで、市民フォーラムの開催をPRした。吉成氏は「私たちの病院でも、転倒を巡る骨折による救急搬送は少なくない。日頃のケアが大事なので、心肺蘇生やAEDの実技指導も含め、ぜひ高齢者の方はもちろん、家族の皆さんにも参加してほしい」と呼びかけている。
入場無料。予約・整理券不要。午後1時から3時(正午から受け付け)。
(写真:市民フォーラムの開催をPRする吉成氏=右=と渡部事務局長)
ニュース