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常磐市民会館の閉館惜しむ声 棟方志功が原画手がけた緞帳の行く末は

 老朽化に加え、昨年2月と今年3月の福島県沖地震の被害によって、24日に閉館が発表された常磐関船町の常磐市民会館。地元の子どもたちから市民サークルまで、幅広い年代が音楽や演劇を発表するなど、まさに地域にとって不可欠な場所だった。
 常磐市民会館は昭和42年4月に開館。座席数は1108で、楽屋やピアノの付帯設備を持つ。耐震性には問題はないが、昨年2月の地震では、ホール客席の上部にある照明カバーが落下。今年3月の地震では、館内のタイルはがれなどが確認され、修繕に多額の費用がかかることから、公共施設の縮減を進める中で閉館を決めた。
 常磐地区の市街地再生事業が進ちょくし、新たな交流拠点を模索していることも、再開断念につながったという。
 多くの人が思い出を持つホールでもある常磐市民会館。常磐地区では地元の湯本一小、湯本一、湯本二、磐崎中、湯本高(現・いわき湯本高)が合同で、合唱部と吹奏楽部による「クリスマスコンサート」が、同館を会場に毎年恒例となっていたため、閉館を惜しむ声が相次いでいる。
 また閉館によって気になるのは、ホールの緞帳の行く末だ。いわきアリオスが平成20(2008)年に完成した際、旧平市民会館から、日本を代表する版画家・棟方志功の原画を基にした緞帳が移設され、常磐市民会館に備えられた。
 この緞帳は、小川町出身の蛙の詩人・草野心平と志功の縁から制作され、いわき地方の産業発展を願う思いが込められた意匠で、「大平和の頌(しょう)」のタイトルが付けられている。
 いまのは平成3年に新調された2代目で、常磐市民会館の舞台に合わせるため、原画のイメージを損なわない範囲で両端が裁断されている。
 市文化振興課の担当者は「建物が公民館や図書館とつながっており、すぐに常磐市民会館を解体することはない。緞帳の今後についても検討していきたい」と話す。跡地利用も現時点で未定としている。
 

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