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吉野せい賞表彰式 11月2日に心平記念館で 「黒い海」著者の伊澤さん講演も

 吉野せい賞運営委員会(鈴木英司委員長)と市は20日から、小川町の市立草野心平記念文学館で11月2日に開催される「第47回吉野せい賞」の表彰式と記念講演会の参加者の募集を始める。
 今年の記念講演会は、2008(平成20)年6月に千葉県犬吠埼の東海上で発生し、17人の死者・行方不明者を出した小名浜機船底曳網漁業協同組合所属の巻き網船「第58寿和(すわ)丸」の海難事故について調べた著書「黒い海 船は突然、深海へ消えた」(講談社刊)の作家伊澤理江さんが講師を務める。参加費無料。
 同賞は好間町の菊竹山で開墾生活を送り、70代で作家デビューを飾った吉野せい(1899~1977年)=小名浜出身=を冠した文学賞で、午後1時から始まる式では、同賞と第48回吉野せい賞作品募集用ポスターの入賞者を表彰する。
 記念講演会は同2時からとなり、今年はジャーナリストでノンフィクション作家の伊澤理江さんを招待。伊澤さんは1979(昭和54)年生まれで、英国ウェストミンスター大大学院ジャーナリズム学科修士課程修了後、同国の新聞社、外資系PR会社などを経てフリージャーナリストに。現在はネットメディアや新聞、ラジオなどで取材、執筆活動を行っており、初の著書となった「黒い海~」は昨年、吉野せいも受賞した大宅壮一ノンフィクション賞に選ばれた。
 同書はこのほか、第45回講談社本田靖春ノンフィクション賞、第71回日本エッセイストクラブ賞、第11回日隈一雄・情報流通促進賞大賞にも輝いている。
 受賞作ではせいの生まれ故郷、小名浜を象徴するカツオ漁船の悲劇を題材に、生存者の証言とともに、事故後の経過や運輸安全委員会が公表した事故調査経過報告書について、伊澤さんが独自に調べた内容や見解が記されている。
 当日は本書をもとに「『記録を残す、記憶に刻む』~いわきの漁船沈没事故取材を通して見えたもの~」と題して講演する。
 定員は70人で、定員を超えた場合は抽選。詳しくは市ホームページ<こちら>。
 (画像:表彰式と記念講演会の参加を募るポスター)

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